コンクリートaiサロン | 2026年3月
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景観設計への思い
鈴木 勝浩
都市部の橋梁では、景観性を重視して化粧型枠によるデザインを採用する事例がある。
化粧型枠にも様々な種類があり、擬石・レンガ風・リブ型など、周辺環境に調和したものが選定され、発注者や設計者、地元の方々の思いが込められた構造となる。
これら化粧型枠によるデザインは景観性を向上させる一方、メンテナンス時にはデザイン性が施工性を著しく制約する要因となり得ることになる。例えば、擬石タイプの場合、平坦性が乏しく、ひび割れ注入作業が困難になることや落書きが生じた場合の除去作業も難しく、修繕の施工性に影響を及ぼす可能性がある。
今回、平成5年に竣工された橋梁の耐震補強設計を行う機会があった。架橋位置周辺には、観光地があり、景観に配慮するため、化粧型枠を採用し橋脚柱についてデザインを施したものであった。

平成7年度以前(兵庫県南部地震以前)の基準で設計された橋梁であったことから、耐震性能照査を行った際、柱の耐力不足が確認され、RC巻立てを行うことになったが、デザインを潰すか否か、潰す場合の表面処理方法等について、検討を要することになった。
結果として、設計当初のデザインを維持するためのコスト増と今後のメンテナンス性に配慮し、デザインを犠牲にせざるを得なかった。竣工当時に関与した関係者の意図を十分に反映できず、当初のデザインを損なう判断となったことは遺憾であった。
現代の構造設計においては、景観性を維持しつつ維持管理の容易性を確保する工夫が求められるため、設計に携わる者として、今回の事例を教訓として今後の設計に生かしていきたいと考えている。




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