古い構造物を知る
久保田 裕康
ここ2、3年、歳をとってきたせいか、年期のある構造物に惹かれています。趣があるとか、味があるとか、なぜここに必要だったのかなど、興味惹かれるようになってきており、自分の携わったことのあるダム、橋梁などを中心に『どうなったかなぁ』と思い、よく見に行っています。 そこで、皆さんに簡単に歴史的価値のある構造物が見に行ける土木学会が認定している土木遺産についてご紹介します。同学会では、土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、土木学会選奨土木遺産の認定制度を平成12年から始めています。 この認定制度は、
土木遺産の文化的価値の評価、社会への理解等の社会へのアピール
先輩技術者の仕事への敬意、将来の文化財創出への認識と責任の自覚等の喚起の技術者へのアピール
地域の自然や歴史・文化を中心とした地域資産の核となるものであるとの認識の喚起
失われるおそれのある土木遺産の救済など
が促されることを期待しているようです。 最近、私は、仙台市主催の『杜の都れんが下水道洞窟』見学会に参加してきました。金、土曜日、午後から30分程度の見学会なのでお手軽に楽しめます。仙台市内に、明治30年代に築造された煉瓦づくりの下水道が3ヶ所残っているとのことで、歴史的に貴重なこの煉瓦下水道は、その価値が認められ、平成22年度に土木学会選奨土木遺産に認定されています。 その中の1つで、青葉区西公園SL広場そばに埋設されている煉瓦下水道施設(写真-1)を見学してきました。少し臭いましたが、地震にも耐え、硫化水素による劣化もなく、また、映画撮影(ゴールデンスランバー)に利活用されるなどして、100年以上も経てもなお現役の貴重な煉瓦下水道施設です。 是非、皆さんも仙台市のホームページを見ていただいて、申込みをされたら如何でしょうか。マンホールカード(写真-2)も見学後に貰えますよ。 最後に、大げさですが、このように後世に残すための仕事に少しでも携わっていきたいと考えています。
↑下水道窟入口
写真-1 杜の都れんが下水道洞窟(平成22年度選奨土木遺産)
マンホールカード
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