コンクリートaiサロン|2021年6月

更新日:6月28日


「徒歩通勤にて」


武田 三弘



 最近、まじめにダイエットをしたら1週間でどの程度まで痩せられるのかと思い立ち、晴れの日が続く週を狙って、自宅から大学までの片道45分程度の通勤路を歩いてみた。せっかくなので、何処かに劣化コンクリートが無いかと考え、携帯片手に散策しながらの通勤である。

 そこで見つけたのが写真-1に示す縁石の変状である。見た瞬間、熱膨張の影響で圧壊したのでは?いやASRやDEFの可能性も・・、それとも凍害?、もう少し確証が欲しいと考え、周辺の縁石の観察を行った。想像以上に同様の変状が進行しているのが分かったが、写真-2のように両側の角部にひび割れと剥離が生じているのを見つけたとき、縁石自体の膨張で角部だけにひび割れは入らないだろうと思い、熱膨張、ASRそしてDEFは主原因から外れた。では凍害なのか?確信が持てないまま、捜索は続いた。



 




 


            

           写真-1                写真-2 

 

 そしてついに、写真−3のような、目地モルタルが残った状態で、左側上面が剥離し、右上面にはスケーリングが見られた縁石を発見した。エントレインドエアーの導入不足なのか、凍害特有の角からの劣化やスケーリングが見られたことから、主原因は凍害との結論

に至った。とはいえ、実際には凍害以外の要因もあるとは思われるがそんなことより、疑問を持たせてくれた変状との出会いと、どうにか答えにたどり着いた爽快感で、大変満足しながら大学へと到着することができた。車での通勤ではこの様な変状に気付くことは出来ないし、たまには歩くことも悪くないと思いながら、翌日からは通勤コースを変えながら、より精力的に変状探しが始まった。                                 

                              写真-3  

 

 1週間後、コンクリートの変状写真の枚数はかなり増えたが、体重の変化はほとんどなかった。テレビによると、ダイエットに効果があるのは早歩きであり、だらだらと歩く場合は、あまり効果はないらしい。魅力的なコンクリートの劣化がある限り、私にウォーキングによるダイエットは無理のようである。そう言えば、以前、妻の妹から、「通勤途中、コンクリートの壁に向かって写真を撮っているスーツ姿の変な人がいる」と聞いたことがある。私である。セパレータ周りの沈みひび割れを撮っていただけなのだが、普通の人からは変人に思えるようだ。きっと縁石を撮っている姿を冷ややかな目で見ている人がいただろうと思うと悲しいが、それにもめげずに、これからも撮影し続けてやると思う私です。