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役員の部屋|2018年10月


リニューアルプロジェクト


羽柴 俊明



 

 最近、新井恵理那さんが出演するテレビCM等で盛んに広報しておりますが、NEXCO東日本では『高速道路リニューアルプロジェクト』を実施しています。これは、高速道路の本体構造物のライフサイクルコストの最小化、予防保全や性能向上の観点から、橋梁・トンネル・土構造物等の老朽化対策を進めるものです。


 私は、今年の3月までリニューアルプロジェクトに関する橋梁の調査・検討などの業務に携わっておりました。主な業務としては、コンクリート床版の健全度評価です。目視調査・打音調査等の点検結果に加え、圧縮強度・制弾性係数・塩化物イオン含有量・中性化深さ、床版上面の非破壊調査結果等を踏まえ、総合的に健全度を評価し対策工法の選定(床版取替・部分補修等)を行っています。


 東北地方のコンクリート床版においては、床版上面の砂利化・鉄筋腐食・コンクリートの剥離(剥落)など、凍害や凍結防止剤による塩害による劣化が顕著であり、これにより床版取替と判断されることが多い状況でした。また、PC連続合成桁橋においてASRによる1次床版部(PC構造)にひび割れが発生し、部分的な床版取替が必要となる事例もありました。

 対策工法の選定では、明らかに健全度が低下している場合は良いのですが、境界線上にあり判断が難しい場合もあります。この場面でこそ適切な判断ができるのがコンクリート診断士としての役目なのですが、その度に診断の難しさを痛感してきました。


 MCDは知識・経験が豊富な諸先輩方や様々な業種の方々が一堂に会する場です。MCDの活動を通して多くのことを学ばせていただきながら、技術力の向上を図っていきたいと思っております。


 次回は、阿部さん、よろしくお願いいたします。


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