2014年10月30日に開催された第10回コンクリート診断士の技術研鑽のための勉強会(JCI東北支部主催,宮城県・青森県コンクリート診断士会共催)に参加して参りました.参加することができませんでした会員の皆様に,簡単ながら一部ではございますが報告致します.見学場所は,1) 復興道路専用公共生コンプラント,鵜住居第二高架橋A1,水海高架橋と水海トンネル,大畑団地本線BOXの4箇所でした.今回の見学会の中で,特に興味を持ったことは,透気試験の結果でした.
写真−3は,透気試験を行った箇所を撮影したものですが,特徴として,打ち継ぎ線がある(完全に一体化していない)箇所であることです.この様な箇所では,当然,透気係数は桁外れの値となってしまいます.その様な意味では,コールドジョイントにおいて縁切れが生じているかどうかの確認方法の一つとして透気試験を活用することは有効であると思いましたが,縁切れを生じている場合,内部の何処まで一体化していないかの判断については今後の課題なのかと思われます.
写真-1
また,コンクリート打ち込み後の型枠の脱型時期を18時間とした場合と,1週間とした場合とで,透気係数の値にどの程度,差が出来るのかを確認した現場があるのですが,前者の透気係数Kt(単位略)は1.7に対して後者は0.19と9倍もの差が出ておりました.型枠の取り外し時期を長くすることによって,緻密なコンクリートになるという良いデータであると思われます.工期や型枠転用など条件によっては,脱型時期の延長は難しい事かもしれませんが,発注者および施工者が一体となって,品質の良いコンクリートを造るために出来ることを共通認識として持つことが重要であると,現場をみて改めて思いました.写真−2は1週間後に型枠を外した箇所の透気試験の測定箇所を示しておりますが,白丸の中が黒くなっているのは,表層付近のコンクリートの空気量を測定するために研磨したためです(写真—1も同じです).
写真-2
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