建設業における2024年問題について
高橋 学
建設業界における2024年問題とは
①時間外労働の上限規制
2019年に施行された働き方改革関連法が建設業に適用され、時間外労働時間に上限規制が設けられます。(ただし、災害復旧・復興は除く)
②割り増し賃金の適用
中小企業に2023年改正された労働基準法が適用され、60時間を超える法定時間外労働の割増賃金率が25%から50%に引き上げられます。(大企業は2010年から適用済)
もともと建設業は以下の2つの問題を抱えていました。
①人材不足
少子高齢化に加え、劣悪な労働環境による若年層の就職の敬遠・離職
②常態化している長時間労働
背景には人材不足のほか受注業者が発注企業の短期間納期での依頼に応えていることも考えられます。
建設業の労働環境改善のため、国土交通省は「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定し、以下の具体的施策を提案しています。
①長時間労働の是正
週休2日制の導入、適正な工期設定を推進
②給与・社会保険
技能・経験にふさわしい処遇(給与)の実現、社会保険への加入をミニマムスタンダードにする。
③生産性向上
ICTの活用を促す公共工事積算基準等の改善、建設業許可等の手続きを電子化、IoTや新技術導入による施工品質の向上と省力化など
しっかりと2024年問題を理解し、受注者、発注者の立場を超え建設業界全体での取り組みが必要とされています。
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