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コンクリートaiサロン|2022年7月


LISTEN

- 知性豊かで想像力がある人になれる -


  久保田 裕康


 

 最近、私が二十代半ばに5年間インターロッキングブロック舗装技術協会の委員をしていた時に、当時の会長故谷藤正三先生と二人で話す機会があったことを思い出しました。

 いまでも印象に残っている会話は、「最近のコンクリートは薬漬けだね。君はどう思う。」という問いと「暇な時、寝る前には読書をするとよいよ。人生が豊かになるよ。」とアドバイスがあった。その時、谷藤先生から著書「技術革新と国土計画」を頂き、その頃から少し本を読むようになったような気がします。「コンクリートの薬漬け」の問いについては、30年くらい考えていますが、まだ纏まりません。谷藤先生という方は、総理府北海道開発庁事務次官も務められ、戦後日本の道路技術を牽引された方です。


 今回、「LISTEN」という書籍をご紹介したい。著者はケイト・マーフィーという方でニューヨークタイムズなどを中心に活躍するジャーナリストです。「きく」という意味を広辞苑で調べてみると「聞く」は一般的に広く使い、「聴く」は注意深く耳を傾ける場合に使うと書いてありました。この本は様々なケーススタディと学術的な見解などを基に創造力を豊かにするための「聴く」について多く述べられています。

 そこで聴くということとはどういうことなのか。相手の胸の内で何が起こっているのかを分かろうとすることで、“あなた”のことを気にかけていることを意味しているそうです。そして、意見を聴くことは相手の言うことをきかなければならないということではなく、相手に寄り添う気持ちが含まれています。

 また、聴くという行為は相手に孤独感を与えないためであって、例えば良いことが起こったのにそれを聴いてもらえなかった時に孤独感を覚えます。通常、人は良いことについては共有したいのです。孤独感を持つとコミュニケーションに大きな課題を持つようになります。

 次に何故聴くことができないかというと、コミュニケーションバイアスがかかっており、無意識にフォルダー分けをしているそうです。人は表面的なところだけ見てしまう傾向があり、次に何を話そうかとか、アドバイスをしようとした時点で失敗してしまうということです。聴く時に相手を理解しようとする姿勢が大事であり、それだけで十分だと述べています。

 最後に読んで感じたことは、実は聴くことは簡単そうで難しく、傾聴することはかなりのパワーを使い、全然できていないことが分かりました。自分の主張を言うことも大事ですが、それよりも相手のことを理解する姿勢に心掛けたいと思った一冊でした。


 


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