コンクリートaiサロン|2021年9月


災害リスクエリア


近藤 克巳



 オリンピックの閉幕にあわせるように、台風9号や前線の停滞の影響により、各地で大雨および土砂災害や水害による被害が相次ぎました。東北でも青森県むつ市で増水により国道にかかる橋が流出し、一時住民の方が孤立状態となるなどの被害が発生しました。


 国土交通省は2020年12月11日に「中長期の自然災害リスクに関する分析結果」を公表し、このなかで「都道府県別の災害リスクエリアに 居住する人口について」として、各県ごとの災害リスクエリアとそこに居住している人口を示しています。 

(都道府県別の災害リスクエリアに 居住する人口について

https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/kokudoseisaku_tk3_000122.html


 南海トラフ地震による地震被害はある程度想像はしていましたが、それ以外でも洪水、土砂災害などのリスクが高い地域に多くのひとが住んでいることに驚きました。

 なにより気になったのが、人口が減少することを考慮しても、リスクエリア内の人口の割合が減少していない、ということです。あくまで単純な推計ではありますが、住める場所が少なくなっていくという不安を覚えます。

 これは災害によるリスクを示したものですが、インフラのメンテナンスが十分に進まなければ、使えないインフラの増加により、実質的に住める場所はさらに少なくなるのではないか、と危惧してしまいます。将来的に、住む場所を自由に選べなくなる時代がやってくるのかもしれません。


 政府も昨年12月に「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を閣議決定し、インフラの老朽化を含めたうえでの防災・減災、国土強靭化を図ることを示しており、今後総括的な対策が進められることと思います。

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001412022.pdf

 地球温暖化など原因とされるものに対する対策を講じることも重要ですが、ひとの暮らしを守るためのより直接的な対策を進めていく必要があると、あらためて感じたところです。


 また、約1ヶ月前の7/3には、熱海で大規模な土砂災害が発生しました。こちらは、降雨もさることながら、盛土が直接的な原因ではないかと言われています。建設業に関わる者として、いろいろと考えさせられました。

 建設業は、インフラをはじめとした公共性の高い構造物の建設・維持管理などを通して、多くの方々の安心・安全に関わる仕事です。今後ともしっかり貢献していきたいと思います。