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コンクリートaiサロン | 2025年9月

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 9月16日
  • 読了時間: 3分
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コンクリートの劣化と夏の暑さについて



  山口 雅史

 今年の夏は暑かった。仙台においても35℃以上猛暑日の最多記録を更新している。9月初め時点で13日間あったそうである。仙台も東京並みになってきたのか、熱帯化していると言われていた東京と同じような気候になってきている。もともと熱帯化と言われていた東京はさらに猛烈な暑さが続いている。

 そう考えていると、ふと熱帯ではコンクリートの劣化はどうなるのか?と思い、いろいろと調べてみた。結果的に熱帯気候では劣化は進むそうである。

 中性化は高温多湿で反応が加速する。また、海の近くでは塩害リスクも向上。ASRも温度が高いと加速される。確かに言われてみると促進試験も高温化で反応を促進させている。

 さらにコンクリート打設時においても表面水分が失われやすいこと、温度ひび割れが生じやすいリスクなども考えられる。

 じゃあ寒かったらコンクリート劣化はどうなるの?とのことで、逆に寒冷地で調べてみた。やはり寒い地方では凍害劣化が進むことがリスクとなり、また、凍結防止剤に含まれる塩化物イオンが塩害及び複合劣化を加速させる。

 そういえば寒冷地ではDEFが見られやすいとの話もあったと思い、調べてみるとDEFで生じた微細ひび割れに水が浸入し凍害を受けることによってスケーリング、ポップアウトが生じていくようである。北海道や東北においても、道路わきの縁石が劣化してボロボロなものが多いようにも思う。さらに寒冷地における凍害・ASR・塩害が互いに進行を促す事例を「複合トライアングル」とも言うそうである。

 暑くても寒くてもダメなのか。では中庸な気候が一番良いのかといったところで確認すると、劣化が少ないのは内陸の乾燥地帯(砂漠も含む)や高原の温暖乾燥地だそうである。温度変化や湿度が低いところがポイントとなってくる。

 AIに勧められるままに世界の長寿命コンクリート都市ランキングを見ると1位はボリビアのラパス(標高3,600m)とのことであり、補修無しでも長寿命な構造物が多いようである・・・。

 ここまではふと思いついたことを書いていますが、話は変わって10月1日~7日まで全国労働衛生週間となります。建設業災害防止協会の要領の中に災害事例として、トンネル底面にコンクリートを流し込む作業をしていた4名の長靴に、コンクリート成分を含んだ水分や泥が入り込んでおり、脚部にコンクリートが付着して薬傷となった事例がありました。コンクリートはアルカリ性です。令和6年より化学物質を取り扱う事業者はリスクアセスメントを行うことが義務化されています。スラリー状のコンクリートを使用する作業は対象でありリスク管理マニュアルも建災防より出されています。対象となる方はチェックしてみてください。

 
 
 

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