役員の部屋|2021年3月

更新日:6月22日


CIM ~ミリ単位の配筋に挑戦~


鈴木 勝浩



 年明け後もコロナ終息の兆しが見えない状況で憂鬱な気分であるが、コロナ禍で格段に進歩したのがWEB会議やテレワークなどの通信技術である。始めは、戸惑っていたWEB会議も現在は、難なくこなしている。切羽詰まると案外出来るものである。


 同じように、コンサル業界で切羽詰まった対応を求められているのが『CIM』への取り組みである。現在、国土交通省では、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの全ての建設生産プロセスでICT等を活用する「i-Construction」を推進し、建設現場の生産性を、2025年度までに2割向上させることを目指している。

 それらの取り組みの一環として3 次元モデルを利活用することで、全体の効率化・高度化を図る、いわゆるBIM/CIMが推進されている。これまで、2次元で進めていたものを3次元化する取り組みであるが、コンサルタントの実務者レベルでの苦労や感想について、ちょっとだけ御紹介させて頂きたい。


 2次元から3次元への対応で、まず初めに苦労するのが『配筋図』である。

 現在、全ての図面について3次元化を求められている訳ではないが、鉄筋が錯綜するラーメン橋脚の柱頭部について3次元モデルを作成してみた。2次元の図面では、良くも悪くも曖昧さがあったものが、3次元で作図すると融通が利かなくなる。機械継手や曲げ加工を踏まえた描写など、3次元で正しく作図すればするほど、色々な箇所でミリ単位の干渉が確認され、干渉を避けながらの作図は非常に苦労する。今までいかに曖昧に表現していたのかを改めて感じた。


 ただ、配筋図をmm単位で干渉しない様に正確に作図しても、現場ではその精度で仕上げることは不可能であり、3次元化については、設計者の自己満足にならないように注意が必要である。鉄筋ピッチを250 mmとした場合、250 mm間隔にこだわるのか、1mに4本入れると解釈するのか。現場の実情を踏まえつつ、正確な図面を作成することが要求されている。


 CADでの作図に慣れ親しんだ私達の世代でも、3次元CADには抵抗あるが、進歩し続ける技術に後れを取らず、一方で振り回されず上手に扱うことが大事であると改めて感じている。

 来年の今頃は、コロナの話題も無くなり、あの時は飲み会も出来ず大変だったねと笑って話している姿を想像し、次回の役員の部屋にバトンタッチです。