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役員の部屋|2019年4月


鳥の目・虫の目・魚の目・コウモリの目


渡辺 弘子



 

 

新しい元号が発表されました。『令和(れいわ)』です。『平成』になった時、不遜にも「『へーせー』って何だか息が抜けちゃう音だなあ」と思ったことを良く覚えています。しかし、兵庫県南部(H7)、東北地方太平洋沖(H21)を始めとした数々の地震、雲仙岳(H3)や御嶽山(H26)の噴火、近年特に頻発している各地のゲリラ豪雨(H5~H30に12回)など、激甚災害に頻繁に見舞われた平成の30年間を思うと、『平成』という元号に込められた思い「内(うち)平(たいら)かに外(そと)成(な)る(国の内外、天地とも平和が達成される)」の平凡な大切さに改めて気づかされます。新しい元号は「明日への希望と共に日本人一人一人が大きな花を咲かせる」という願いが込められているそうです。コンクリート屋として大きな花を咲かせたいものです。


 さて本題です。2枚の写真があります。2つの損傷は良く似ていますが発生原因は同じでしょうか。そもそも両者の損傷原因は何でしょうか。

物事を見るのに、よく「鳥の目・虫の目」といいます。それにさらに「魚の目・コウモリの目」を足した必要性について述べられた論があり、面白かったので意訳して紹介します。


 「鳥の目」とは空の上から全体像を見る「広い視点」

 「虫の目」とは近くに寄って細かく見る「深い視点」

 「魚の目」とは時間の流れの中で見る「長い視点」

 「コウモリの目」とは天井にぶら下がって逆さまに見る「切り替えた視点」


 この4つはビジネスを成功させるのに必要な視点とのことですが、コンクリート構造物を維持管理していくにも必要だと思いました。例えば劣化原因を推定するには…


 鳥の目:この劣化は構造物全体のどの位置にあるのか。どの程度の大きさなのか。

 虫の目:この劣化の詳細はどうなっているのか。漏水や析出物などはあるのか。

 魚の目:この劣化はいつ頃生じたのか。現象は続いているのか。

 コウモリの目:そもそもこれは劣化なのか。単なる汚れや変色ではないのか。


 では、2枚の写真の劣化原因は何でしょう。もし推定できないのではあればそれは何故か、推定するには何の情報が必要なのかも併せて考えてみてくださいね。「4つの目」養っていきましょう!


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