
九州でも凍害
武田 三弘
これまで私が担当していた「会長の部屋」が無くなり、「役員の部屋」へと替わったことで、楽になったと安心しておりましたが、気が付けば私の担当月。と言うことで、九州にコンクリート劣化調査に行ったときのお話をさせて頂きます。
ある委員会で知り合いになりました東海大学の伊藤是清先生と九州の劣化コンクリート構造物を調査する機会があり、3月の上旬2泊で行って参りました。九州と言えば、火山・温泉地帯ですから化学的浸食やASRによって劣化したコンクリート構造物に出会えるか楽しみにしておりましたが、まったく期待を裏切らない結果となりました。その中でも、生コン工場のRC建築物がASRでひび割れだらけだったのには、ある意味驚きましたが、もっと驚いたのは、凍害が結構発生していることです。標高が高いところでは、さらに凍害が多いであろうと言うことで、阿蘇山を目指しながら視界に入るコンクリートを観察しておりました。行く先々で道路脇の縁石にはスケーリングがみられ、山頂の麓、ロープウェー乗り場周辺の建築物や橋梁は火山ガスによる化学的浸食と凍害の複合劣化が生じておりました。改めて東北で見る凍害・複合劣化との違いに驚いたものです。環境条件が変わると、特化した劣化が進行するものだと、改めて思い知らされました。これらの劣化状況については、7月に開催されます「上山市橋梁見学会」の夜の部で、ご紹介したいと思います。 次回は、久保田さん、よろしくお願いします。

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