コンクリートaiサロン | 2025年6月
- admin
- 7月3日
- 読了時間: 2分

「現場に行きましょう」
澤田浩昭
現在所属会社のシニア社員として、引き続き同じ部署にて実務を行っております。会社からは後輩への指導を要請されておりますが、なかなか思い通りに進められないのが現状です。これは、皆様の所属される組織においても共通の課題ではないでしょうか。若手技術者の不足が顕著な中での技術継承は、業界全体が抱える喫緊の課題であると深く認識しております。
一方で、私たちシニア世代が今後何をしていくべきかということも、重要な課題であると考えます。私の提案は、「現場に行きましょう」というものです。皆様にとっての「現場」はどこでしょうか。生コンクリートの製造現場でしょうか、それとも点検や補修補強を行う現場でしょうか。私は施工会社の設計部門に所属しておりますので、私にとっての現場は、補修補強工事の図面や計算書であり、そして実際の施工現場となります。
コンクリートの補修補強業務は、新設工事と比較して、経験者の知識と知恵が極めて有効に活用される分野であると考えます。例えば、以下の項目です。
現場で使用される材料に関する深い知識
過去の施工方法に対する理解
図面と異なる配筋状況など、現場特有の状況を的確に把握する能力
多様な劣化事例に関する豊富な知識(特にコンクリート診断士の皆様)
緊急時や課題発生時に相談可能な人脈(コンクリート診断士会を含む)
施主、地元住民、協力業者との円滑な対話能力
これらは、長年の実務経験を通じて培われるものであり、若手技術者が短期間で習得することは困難です。経験豊富な技術者が有するこれらの知見こそが、補修補強設計や工事の品質と安全性を担保する上で不可欠であると確信しております。
若手への技術継承を着実に進めつつ、私たち自身も「現場へ行きましょう」。
以上
Comments