
コンクリートの「主役」は!?
國吉 慎一
1月4日は何の日でしょうか。
「い(1)し(4)の日」記念日と同時に私の誕生日(昭和30年1月4日)でもあり、今年で67歳になりました。
私の誕生日は、どうでもよいのですが、1月4日が「石の日」と制定された目的等は定
かではありませんが、間違いなく語呂合わせからだと思われます。
広辞苑によりますと、石というのは、岩より小さく、砂よりも大きい、鉱物質のかたま
りのことである。と説明されております。
人工の石ともいわれておりますコンクリートに目を向けますと、コンクリートの70~
80%が石と砂でできており、良いコンクリートは良い石(骨材)からというのは、コンクリ
ート工学の基本中の基本であり、その意味で私は、コンクリートの主役は断然セメントで
はなく、「石」(骨材)であると思っております。
しかし現在、川砂利や川砂のようにコンクリートに有害な成分を殆ど含んでいないよ
うな原材料は枯渇し、岩石を砕いた砕石や陸砂及び海砂等のように、色々な処理は施され
てはいるもののコンクリートに有害な成分を多く含んだ材料が利用されていることから、
特に鉄筋コンクリート等於きましては、中性化・塩害・アルカリ骨材反応(ASR)といった
損傷等が見受けられていることが現状であると思われます。


上の写真は、コンクリート中に含まれる反応性骨材とアルカリ分が、水がかり等の影響
により膨張ひび割れが発生したものと考えられました。(某市より受注の調査・補修設計)
現在、叫ばれている100年コンクリートは、「主役」材料の品質管理のみならず、配合・製造・施工・定期点検・予防保全等に携わる技術者が各持ち場で責任を持ち、問題意識を共有し、一体となり取り組んでいかなければ達成しないものと考えます。