コンクリートaiサロン|2021年10月

更新日:11月1日


17年ぶりの現場


羽柴 俊明



 私は、現職では高速道路の土木構造物の維持管理に携わっておりますが、前職では約9年間、PC橋をはじめとしたPC構造物の施工を行っていました。入社してからは小田急線の複々線化工事や中部横断自動車道などをはじめとし、退社するまでの9年間で大小さまざまな現場を経験してきました。

 少し前のことですが、17年前に自分が施工した橋を見る機会がありました。そこは、私が初めて現場代理人を務めた現場でした。小さな河川に架かる歩道橋でしたが、橋長29.2mのポストテンション方式スラブ桁橋で架設桁とトラッククレーンを併用し架設を行いました。また、付帯工事として経験のない舗装工、樋管工、張芝工などもありなかなか大変な現場だったことを覚えています。また、追い打ちをかけるように、河川管理用道路に敷設していた5×20の敷鉄板が2回も盗難に遭い、盗難対策にも悩まされ寝られない日々が続いていました・・・。ただ、初めての現場代理人ということもあり、『いつも以上に丁寧に、そしていい物を造ろう』という思いは強く、作業員さんと議論(口論?)しながら取り組んでいました。

 そんな想い入れのある現場でしたので、17年ぶりに見る橋がどうなっているか楽しみであるとともに不安でもありました(自分が造った橋がボロボロなのは見たくないな・・・)。いざ行ってみると、変状としては地覆にひび割れやエフロレッセンスが見られる程度でした。また、当時配筋(かぶり確保)に苦労した箇所も、はく離や鉄筋露出、補修跡などの変状も見受けられず一安心しました(ちなみに、自治体で公表している点検結果も健全度Ⅰでした)。この先、10年、20年と健全であり続けてくれればと思っています。

 現場ではトラブルは付き物で、いかにトラブルを解消し良い方向に改善していくかが重要だと思っています。また、立場が変わり維持管理する側になると、施工上の問題点や過去の経緯を理解・把握しながら、様々な視点で管理していくことが重要になってきます。今後も前職の経験を活かしながら、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。